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〈第7回〉記念日反応

〈第7回〉記念日反応

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 8月ですね。お盆にあわせてお墓参りに行かれる方もおられるでしょう。お盆は亡き人を思うことが多い時期です。そのため人によっては悲しみが強くなったり、気分が落ち込んだり、グリーフが表れやすい時期でもあります。グリーフは人それぞれ異なるものですから、私は全然平気だよという人もいるでしょうし、このコラムを読んでいる方の中にも、故人を思い出して、辛さを感じている人もおられるかもしれません。

 亡くなった人と思い入れのある日にち、例えば誕生日、命日など。または家族のことを強く意識するような季節、お盆やお正月など。こういった時にグリーフが強く表れて、気持ちが揺れ動いたり、心や身体の調子が崩れることがあります。これを記念日反応といいます。

 亡くなった人が配偶者であれば結婚記念日、子どもであれば入学式。病院に入院した日であったり、災害で亡くなった人だと、災害が起こった日だったり、その人にとって思い入れがあったり、亡くなった人に関わって、強く記憶に残っている日は、記念日反応が起こったとしても不思議ではありません。

 私たちは時間が経つと悲しみはやわらぐと考えがちですが、亡くなってから何年も経っていても、記念日反応が起こることはあります。これは誰にでも起こり得る自然な反応です。起こってくることを否定したり、自分を責める必要はありません。何年も経っているのに悲しんではいけないなどと思う必要は無いのです。

 記念日反応が起こるかもしれないと思う人向けにお勧めの方法をお伝えします。それは記念日反応が表れそうな日をどのように過ごすのか事前に考えておくことです。

 悲しみの大きさはその人から生前受け取っていたプレゼントの大きさだと教えられたことがあります。記念日反応は亡くなった人とのつながりを再認識したり、亡くなった人の存在を感じられるものでもあります。自分自身を大事にすることが最優先ですから、しんどければゆっくりお休みをしてその日を過ごしても良いと思います。少し元気があるならば、亡くなった人のお墓や仏壇で手を合わせたり、亡くなった人に思いを馳せる日にしてみるのはどうでしょうか。

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Profile

秋山 智

1984年生まれ、新十津川町光台寺(真宗大谷派)住職。葬儀などを通して、死別を繰り返すことで、グリーフについて関心を持つ。2016年にリヴオンが主催する「僧侶のためのグリーフケア連続講座」を受講。現在は僧侶の仲間と共に隔月で、地域緩和ケアセンターruyka(札幌市)にて「お別れを経験した、私たちのつどい」を開催し、喪失体験を語り合える場をつくっている。

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