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グリーフとは、大切な人やものなどを喪失することから生まれる、その人なりの自然な反応や状態、プロセスをさす言葉です。
このコラムでは、グリーフについて知ることで、グリーフと付き合いやすくすることを目的として、共に学んでいきたいと思います。

第18回|グリーフケアって難しいこと?

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第18回|グリーフケアって難しいこと?

 グリーフとは大切な人やもの、環境などを喪失した時に起こる、さまざまな感情や反応、状態をあらわす言葉です。グリーフケアとは、これも多様な言い方をされる言葉ですが、私自身は「グリーフを大切にすること」と考えています。このコラムは、グリーフについて知り、グリーフと付き合いやすくすることを目的に書いています。

 先日、あるところで、「グリーフケアって難しいですよね」と言われたことがありました。どういった部分が難しいと感じるのか、それ以上聞くことはできませんでしたが、今でもその言葉が気にかかっています。

 たとえば、私自身も、グリーフを抱える人と接する時に、無神経なことを言ったり、好ましくない態度をとって、目の前の人を傷つけてしまわないかと心配になることがあります。また、グリーフやグリーフケアについて、少しずつ社会的な認知度が上がり、知る人が増えてきました。グリーフ、グリーフケアについて誤解していると感じることや、私が聞いてきたのとは違う考え方をされる人に出会ってきたこともあります。そういった部分でグリーフ、グリーフケアについての難しさを、私自身も全く感じないわけではありません。

 私たちは人生の中で多くの喪失体験を得てきました。小さな子どもであっても、祖父母などの身近な家族や、飼っていたペットを亡くした人もいます。死別に限らなければ喪失体験はもっと多いことでしょう。喪失と無関係に生きている人はいません。誰しもがグリーフを抱えながら生きています。

 グリーフケアという言葉を知らなくても、喪失体験を人に話したり、人から聞くこともあるでしょう。また、喪失によって困り事が起きた時、たとえば、お連れ合いが買い物の車を出していたり、除雪を行っていたけれども、できなくなった。そういった時に人に頼ったり、助けてもらったということもあるでしょう。これらも大切なグリーフケアです。

 グリーフケアを難しく感じる中には、なにか専門的な、技術的なものと考えているところもあるのではないでしょうか。そういった学びも大切です。けれども、グリーフやグリーフケアはもっと身近なところにあるのだと私は思います。

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Profile

秋山 智

1984年生まれ、新十津川町光台寺(真宗大谷派)住職。葬儀などを通して、死別を繰り返すことで、グリーフについて関心を持つ。2016年にリヴオンが主催する「僧侶のためのグリーフケア連続講座」を受講。現在は僧侶の仲間と共に隔月で、地域緩和ケアセンターruyka(札幌市)にて「お別れを経験した、私たちのつどい」を開催し、喪失体験を語り合える場をつくっている。

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