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〈第1回〉グリーフケアってどういうの?

〈第1回〉グリーフケアってどういうの?

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 はじめまして。真宗大谷派の僧侶の秋山智と申します。縁があって、グリーフケアについて紙面を通じて皆さまと学ぶ機会をいただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

 皆さんはグリーフという言葉を聞いたことはありますか?グリーフとはしばしば悲嘆と訳されますが、その人が大切にしていた、人やもの、環境などを喪失したことで生まれる、その人なりの自然な反応や状態、プロセスをさす言葉です。
 たとえば、身近な人を失ったときに、亡くなって悲しいという気持ちになったり、もっとできる事はなかったかという罪悪感、やることはいっぱいあるのに何も手につかないなどの経験をしたことはありませんか?
 もう苦しむことがなくてほっとしたとか、何も考えられないまま普段よりも仕事をしていたという人もいます。眠れなくなったり、体調を崩すこともあります。もういないはずなのに、まだいるような気がするという人もいます。
 こういったものすべてをグリーフと言います。また、身近な人を亡くすという例を出しましたが、死別だけがグリーフではありません。被災して住む場所を失ったり、仕事を失くしたときにも起こりうることです。卒業や就職によって、これまでの人間関係を失うこともグリーフと言えるでしょう。
 生きていく上で、一度も喪失を経験したことが無いという人はいないでしょう。私たちは皆それぞれに、グリーフと付き合いながら生きています。
 グリーフで起こる様々なことは、誰にでも起こり得るものです。たとえば、先ほど例に出した話で言えば、亡くなったことで、もう苦しまないから安堵した、そういう気持ちが起きる自分は冷たい人間だと、自分を責める人もいます。でも、責める必要はありません。誰にでも起こり得る気持ちなのですから。
 また、泣いてばかりいたら故人が安心できないよという言葉も、気にかける必要はありません。大事な存在を失って、泣くことは自然なこと。悲しみは乗り越えなければいけないものではないのです。

 このコラムでは、グリーフについて知ることで、グリーフと付き合いやすくすることを目的として、共に学んでいきたいと思います。

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Profile

秋山 智

1984年生まれ、新十津川町光台寺(真宗大谷派)住職。葬儀などを通して、死別を繰り返すことで、グリーフについて関心を持つ。2016年にリヴオンが主催する「僧侶のためのグリーフケア連続講座」を受講。現在は僧侶の仲間と共に隔月で、地域緩和ケアセンターruyka(札幌市)にて「お別れを経験した、私たちのつどい」を開催し、喪失体験を語り合える場をつくっている。

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