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グリーフとは、大切な人やものなどを喪失することから生まれる、その人なりの自然な反応や状態、プロセスをさす言葉です。
このコラムでは、グリーフについて知ることで、グリーフと付き合いやすくすることを目的として、共に学んでいきたいと思います。

第24回|グリーフの二重課程モデル

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第24回|グリーフの二重課程モデル

 私たちは喪失体験を経て、どのような過程を辿るのか、今回はグリーフの二重過程モデルをもとに考えてみたいと思います。二重過程モデルとは、喪失体験によるグリーフを段階的に解決していくのではなく、喪失に向き合う「喪の仕事」と、現実に向き合う「現実の仕事」を行ったり来たり繰り返していくと考える理論です。具体的に次のようなものが含まれます。

 1. 喪の仕事(喪失指向)
 亡くなった人のこと思い出したり、失ったことについて考えたり、涙を流したり。喪失に向き合っている時間です。 「あんなことがあった」「寂しくてたまらない」などの気持ちが起こったり、喪失のことを人に話したり、辛い思いを文字に綴ったりする時間などが含まれます。

 2. 現実の仕事(回復指向)
 仕事や家事に没頭したり、新しい趣味を始めたり、遺品の整理をしたり。現実に向き合っていく時間です。 「これからの生活をどうするか」と考えたり、新しい役割に適応しようとする作業を指します。

 私たちはともすれば喪失によるグリーフを抱えている「喪の仕事」の時間から、徐々に回復して「現実の仕事」に移っていくように考えがちですが、二重過程モデルの大切なことは、私たちはそのように一直線に「喪の仕事」から「現実の仕事」に向かい、グリーフから回復するのではないということです。「喪の仕事」と「現実の仕事」を行ったり来たりするのは、私たちは常に気持ちが揺らぎます。故人のことを考える時間と考えない時間の両方が大切なのです。
 グリーフには個人差もあります。仕事や家事が手につかなくて「喪の仕事」にずっといるという人もいれば、喪失の苦しみを忘れたくて、いつも以上に仕事に没頭する人もいるでしょう。行ったり来たりするスピードも頻度も人それぞれ異なります。それらは決しておかしなことではありません。急に悲しみに引き戻されて「喪の仕事」に入ることもあれば、時間をあけてから「現実の仕事」を進める人もいます。また、何年経っても何かの拍子に故人を思い出して「喪の仕事」に移ることもあります。揺らぐことを否定する必要はありません。

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Profile

秋山 智

1984年生まれ、新十津川町光台寺(真宗大谷派)住職。葬儀などを通して、死別を繰り返すことで、グリーフについて関心を持つ。2016年にリヴオンが主催する「僧侶のためのグリーフケア連続講座」を受講。現在は僧侶の仲間と共に隔月で、地域緩和ケアセンターruyka(札幌市)にて「お別れを経験した、私たちのつどい」を開催し、喪失体験を語り合える場をつくっている。

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