グリーフとは、大切な人やものなどを喪失することから生まれる、その人なりの自然な反応や状態、プロセスをさす言葉です。
このコラムでは、グリーフについて知ることで、グリーフと付き合いやすくすることを目的として、共に学んでいきたいと思います。

第27回|共感疲労

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第27回|共感疲労

 大切な人や存在、環境などを喪失した時に起こる様々な反応をグリーフといいます。グリーフを抱えている人の話に耳を傾ける中で、その人の苦しみがまるで自分の苦しみのように感じられて辛くなることがあります。激しい不安や緊張、あるいは「何もしてあげられない」という無力感に襲われることもあるでしょう。このように、相手の状況に深く感情移入し、心が疲弊しきった状態を「共感疲労」といいます。

 共感疲労は、眠れない、疲れがとれないといった体調の変化だけでなく、急にイライラしたり、涙もろくなったりする形でも現れます。介護職や医療職などの支援的な立場になりがちな人が共感疲労になりやすいと言われますが、専門職に限らず、誰にでも起きうることです。

 また、必ずしも相手の状況に肯定的に共感していることで起こるとは限りません。たとえば、その状況から逃げ出したいとか聞きたくないなどの思いから生まれることもありますし、相手の状況に自分が何もしてあげられないなどの無力感から生じることもあります。

 それでは共感疲労にはどう対処すればよいのでしょうか。まず自分自身を大切にすることです。それをセルフケアといいます。セルフケアについては、以前にも取り上げましたが、自分の状態を自分自身で確かめて、どうしたら自分が心地よくなるか考え、実践してみてください。好きなものを食べたり、趣味の時間を大切にしたり、何もしない時間を作る、友人とのお喋り、人それぞれ千差万別なセルフケアがあると思います。

 共感疲労をゼロにすることを目指さなくても良いと私自身は考えています。共感疲労が起こるような状況はある意味では、それだけ大切に相手の話を聞いているとも言えるのだと思います。ただ、そのために自分自身が潰れてしまう必要は全くありません。共感することも大切ですが、自分は自分、相手は相手と境界線を引くことも時には重要です。

 また、共感疲労は、人の話を聞くだけではなく、災害や自殺、辛い事件の報道などに触れることでも起こることがあります。そうした時には、一旦、そういった情報から離れることも有効な方法です。

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Profile

秋山 智

1984年生まれ、新十津川町光台寺(真宗大谷派)住職。葬儀などを通して、死別を繰り返すことで、グリーフについて関心を持つ。2016年にリヴオンが主催する「僧侶のためのグリーフケア連続講座」を受講。現在は僧侶の仲間と共に隔月で、地域緩和ケアセンターruyka(札幌市)にて「お別れを経験した、私たちのつどい」を開催し、喪失体験を語り合える場をつくっている。

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