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〈第4回〉セルフケア

〈第4回〉セルフケア

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 これまで、グリーフとは何か、喪失によってどういったことが起こるのか。喪失の前後に起こり得ることについてお話してきました。今回からは、実際に自分自身や身近な人などが、喪失によってグリーフが起こった時に、どうすればよいのか考えていきます。

 まずそのための第一歩として、知っておきたいことがあります。それはセルフケアについてです。セルフケアとは一言でいうと、自分自身を大切にすること。セルフケアは、最近ではメンタルヘルスの問題などを通じて広く、重要性が叫ばれるようになってきました。

 自分自身のグリーフについて考えたり、誰かのグリーフについての話を聞くことは、時には気持ちが辛くなったり、苦しくなったりすることがあります。私自身もお世話になっていた人が急に亡くなって、気分が沈み込んだり、仕事や様々なことが手につかなくなったことがあります。実は、この原稿を書いている今も、そのことを思い出して、悲しい気持ちで胸がいっぱいになっています。

 こういった時に自分自身を見失わないために、自分自身に目を向けて、大切にする必要があるのです。

 では、具体的にはどういったものがセルフケアになるのでしょうか?たとえば、食べるのが好きな人は食べることでセルフケアになる人もいます。また、ゆっくり眠るという人もいます。友人とおしゃべりをしたり、お茶を飲むことでセルフケアになる人もいれば、一人の時間を大事にする人。今の自分の状態にじっくり目を向けて、気持ちが辛くなっているのだと気づく人もいます。セルフケアの仕方も人それぞれ千差万別です。あなた自身が心地よくなることであれば、どんなことであってもセルフケアになり得るのです。

 辛い気持ちを否定する必要はありません。また、辛くならなかったとしても、それで自分を冷たい人間だと思う必要もありません。自分自身の心や身体に起きていることを、起きているままに、まずは認識してみるのはどうでしょうか。もちろん、できなかったとしても、それを否定する必要もありません、できない私も確かに存在しているのですから。それが自分自身を大切にすることだと私は思います。

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Profile

秋山 智

1984年生まれ、新十津川町光台寺(真宗大谷派)住職。葬儀などを通して、死別を繰り返すことで、グリーフについて関心を持つ。2016年にリヴオンが主催する「僧侶のためのグリーフケア連続講座」を受講。現在は僧侶の仲間と共に隔月で、地域緩和ケアセンターruyka(札幌市)にて「お別れを経験した、私たちのつどい」を開催し、喪失体験を語り合える場をつくっている。

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