グリーフとは、大切な人やものなどを喪失することから生まれる、その人なりの自然な反応や状態、プロセスをさす言葉です。
このコラムでは、グリーフについて知ることで、グリーフと付き合いやすくすることを目的として、共に学んでいきたいと思います。

第30回|物故者追弔会

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第30回|物故者追弔会

 大切な人やもの、環境などを喪失した時に起こる様々な反応をグリーフといいます。グリーフと付き合いやすくする方法としてグリーフワークがあります。お寺が関わる営みでいえば、葬儀や7日ごとの中陰のお勤め、月忌参りや法事など様々な法要にグリーフワークの性質を見出すことができると私自身は考えています。浄土真宗では「供養」という言葉はあまり使いませんが、一般的に使われる意味でいうなら、供養とはグリーフワークであるといっても過言ではないかもしれません。

 10年ほど前、私がグリーフケアの講習を受けていた時に、グリーフケアの企画をつくる学びがありました。その時に私が企画したのが物故者追弔会(ぶっこしゃついちょうえ)です。物故者追弔会は宗旨を問わず、様々なお寺で勤められている法要です。物故者とは亡くなった人のことをいいます。物故者追弔会とは亡き人の追悼のための法要です。

 光台寺では、それまで物故者追弔会を勤めていなかったので、グリーフケアの要素を取り入れ、概ね3年以内に葬儀を出したご門徒さんに案内状を送り、毎年6月に勤めています。勤行の後、グリーフについて概略と短い法話をして、参加者同士での語り合いの時間を設けています。語り合いでは、椅子を車座に並べて、参加者同士で話します。たくさん話したい人もいれば、言葉にすることがつらい人もいます。「無理に話す必要は無いこと」「話したいことを話す場であること」を全員で共有して、私が進行役を務めます。全体で2時間ほどの会です。

 参加者からは「こういった会があって良かった」「これまで誰にも話すことができなかった」と喜ぶ声を聞きます。他の人の喪失体験やグリーフの物語を聴くことで、喪失で辛い気持ちを抱えているのは自分一人だけではないことを知り、それぞれの痛みをわかちあう温かい時間がそこには流れています。

 これはお寺という場を活用したグリーフワークの一事例です。グリーフを語り合う会は様々な場所で開かれていますし、それぞれの環境に応じた場を作ることもできるでしょう。グリーフを大切にできる場所が1つでも多く開かれることを願い、物故者追弔会の取り組みを紹介しました。

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Profile

秋山 智

1984年生まれ、新十津川町光台寺(真宗大谷派)住職。葬儀などを通して、死別を繰り返すことで、グリーフについて関心を持つ。2016年にリヴオンが主催する「僧侶のためのグリーフケア連続講座」を受講。現在は僧侶の仲間と共に隔月で、地域緩和ケアセンターruyka(札幌市)にて「お別れを経験した、私たちのつどい」を開催し、喪失体験を語り合える場をつくっている。

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